2014年10月14日火曜日

「子供が伸びるほめる子育て 太田肇」読了

子供が伸びるほめる子育て 太田肇 筑摩書房」読了.

思春期の娘を持つと,特に男親は苦労するものだ.私もその一人である.

娘の本質は全くもって良いと思ってる.好きなこと,テレビ,映画,アイドル,スマホ...は黙っていてもやるのに,学生の本業に身が入っていない.時間に使い方,生活のオンとオフの切り替えがうまくいっていない.

成績が悪いわけではない.勉強に興味が持てないのだ.そんなことは当たり前,わかっている.でも,やらなきゃいけないときにはやらないと.

プレッシャーをかけずに,娘のモチベーションを上げる方法はないかと悩んでたときにこの本を書店で目にした.読んでみたら,まさに我が家庭のことが引用されているみたいだった.

実践して,効果を上げれるよう,時々読み返してみよう.

2014年10月11日土曜日

「間抜けの実在に関する文献 内田百閒」読了

間抜けの実在に関する文献 内田百閒 ちくま文庫」読了

「TED 驚異のプレゼン カーマイン・ガロ」を読み終わってから,2ヶ月も経ってしまった.その2ヶ月で読み終えたのが1冊.

時間がかかりすぎて印象が薄い.

百閒はいつも金に困っていたんだなぁ〜とか,法政大学でこんな騒動があったんだぁ〜と思ってみても,読んだ実感がない.とにかく読み終えたという苦労に近い思いしかない.

また,あとで読み直してみよう.楽しめるかな.

2014年8月10日日曜日

「TED 驚異のプレゼン カーマイン・ガロ」読了

TED 驚異のプレゼン カーマイン・ガロ 日経BP社」読了.

TEDで行われるプレゼンがメッセージを聴衆に伝えるため,いかに工夫や努力がなされているかが,プレゼンの分析をもとに本書の中でプレゼンされている.

TEDのプレゼンを観ているようなテンポと熱意が伝わってくる.
伝えたいという熱意があってこそのプレゼンだということがわかる.

伝わるための技術も本書にはあるが,直接役に立つものではない.小手先のテクニックが書かれてるのではないから.

伝える,伝わるとはどういうことかを真剣に考えている人には有益だと思う.

2014年8月2日土曜日

「TEDパワー パトリック・ニュウエル」読了

TEDパワー パトリック・ニュウエル 朝日新聞出版社」読了.

TEDに関わり,TED x Tokyoを立ち上げた一人の著者がTEDの精神を伝える本.プレゼンのハウツー本ではない.

伝えたいことが,伝わることで(共有されることで),世界が変わる.

そんなことをTEDの舞台裏を話しながら伝えている.

プレゼンは怖いけど,怖くないよ.

2014年7月13日日曜日

「縦横無尽の文章レッスン 村田喜代子」読了

縦横無尽の文章レッスン 村田喜代子 朝日文庫」読了.

読みやすい.テンポもリズム良い.とにかく読みやすかった.

著者が受け持っている大学の文章講座がもとになっている.
いろんな分野のいろんな作家の文章を解体し,
"よい文章"について比較しながら説明している.

でも,この本を読むことがよい文章を知ることだと感じた.

技術的なことはいろいろあるだろうが,こんなテンポのいい文章が書けるようになりたい.

2014年7月8日火曜日

「アウトラインから書く小説再入門 K.M. ワイランド」読了

アウトラインから書く小説再入門 K.M. ワイランド フィルムアート社」読了.

小説だけでなく文章,特にまとまった文章を書く際の構成の練り方にプロットや
アウトラインの利用が効果的であることがわかる.

いろいろな著者にアウトラインについてインタビューしている.これもアウトラインの利用のヒントになる.
書き出す前に何を書くか,ゴールはどこか.アウトラインでじっくり練って,そ
の地図を参考にゴールへと歩き出す.地図の修正,寄り道も,もとになる地図があ
るから自由な歩き方(書き方)ができる.
意外に使えるかも.

2014年6月12日木曜日

「女のいない男たち 村上春樹」読了

女のいない男たち 村上春樹 文藝春秋」読了.

6編の短編を含む.もともと女がいない男たちではなく,かつて女(恋人,妻)がいて,いろんな理由で男のところからいなくなった,その女と男の関わりについての物語.

面白く読めた.

男の行動や感じ方に”わかるなぁ〜”って思ってしまう.

でも,"シェエラザード"は女のいる男の話のような気がするけど,やっぱり女はいないってことになるのかな.羽原とシェエラザードの関係が謎.

木野はあの後どうなったのだろう.

やっぱり,女と男の間には謎が不可欠てっことか.

2014年5月20日火曜日

「乱読のセレンディピティ 外山滋比古」読了

乱読のセレンディピティ 外山滋比古 扶桑社」読了.

新・思考の整理学だろうか.

よい考え,アイデアに出会うには,読書,それも,乱読,そして,忘却,散歩,朝が大切.

セレンディピティはこれらによってもたらされる.

2014年5月14日水曜日

「エスカレーター人間 外山滋比古」読了

エスカレーター人間 外山滋比古 芸術新聞社」読了.

内容の多くは過去の著作ですでに読んでいる.でも,他のもの,今日の出来事等と組み合わせると違った景色や考えが表れてくる.まさに,エスカレーター的ではない.

エスカレータに乗ってしまえば,何も考えずとも目的地に着く.エスカレーターを降りて自分の足で歩こう.エスカレーターに乗ってたら見えない景色が見えるかもしれない.

著者は著作で考えている.読者にそれを読ませ,考えるとはこう言うことだと暗に伝えているのではないだろうか.

91歳だよな.スゲーの一語に尽きる.

2014年5月6日火曜日

「恋しくて 村上春樹」読了

恋しくて 村上春樹 編訳 中央公論新社」読了.

甘くて苦い粒よりの10編,世界のラブ・ストーリーとあるけど村上春樹が選ぶだけ合ってちょっと特殊なラブ・ストーリーだと思う.

「テレサ」と「L・デバードとアリエットー愛の物語」,「モントリオールの恋人」はよかったかな.

訳がわかりづらいとこがあって,読むのがハードになる時があった.

最後に収められている「恋するザムザ」は翻訳ではなく,書き下ろしなので,やっぱり読みやすかった.

村上春樹の翻訳を読むのは初めてだけど,翻訳って難しそうね.するのも,読むのも.

2014年4月29日火曜日

「第三阿房列車 内田百閒」読了

第三阿房列車 内田百閒 新潮文庫」読了.

百閒先生の目的のない,用事のない,汽車の旅,第三段.

行き先は長崎・房総・四国・松江・興津・不知火の6っヶ所.
相変わらず頑固な老先生の姿が読んでいると浮かんでくる.

それにしても,汽車の窓からの情景や宿泊先周辺の描写が細かくて,すごい.

旅行記を書く作家は旅行中もいちいちメモしてるのかなぁ.すごいなぁ.

最近,読むペースが落ちてる.次は村上春樹の「恋しくて」だ.

2014年4月6日日曜日

「TED 世界を魅了するプレゼンの極意 アカシュ・カリア」 読了

TED 世界を魅了するプレゼンの極意 アカシュ・カリア SBクリエイティブ」読了.

TEDトークがNHKで放送され,TVでもいろんなタレントがプレゼン,プレゼンと言い出している.プレゼンが流行りである.

何冊かプレゼンの本をよんだ.最初はガー・レイノルズの本を読んだ.TEDを知る前のことだ.プレゼンに対する考え方が変わった.


ガーの本はプレゼンに対する考え方を変えてくれた.プレゼンは説明するのではなくストーリーを語るのだって.精神や哲学を示してくれた.

この本はどうしたらストーリーを聴衆に印象づけることができるか,そのためのテクニックを解説している.読んで,なるほどと思うが実際に自分のツールとしてものにするにはプレゼンの場数を踏むことが大事だと思う.

この本を読んだからといって,明日すぐに世界を魅了するプレゼンができるわけではない.でも,この本の内容を意識してプレゼンの資料を作成したり,準備することが大事なのだろう.

失敗を恐れず,前向きに,楽しんでプレゼンを迎えることが大事.

2014年3月8日土曜日

「第二阿房列車 内田百閒」読了

第二阿房列車 内田百閒 新潮文庫」読了.

冬から春への間に,新潟,横手,山陽,九州へ,4回の阿房列車の旅である.

あいかわらず目的無しの旅行,ただ,行って帰ってくるだけの旅.
観光も名物もないけど,列車の旅っていいなと思わせてくれる.

何時に起きて,どこどこへ行ってだなんて,スケジュールにしたがっての行動って人間らしくない.

こんな気ままな旅もいいなと思わせてくれる.
こんな生き方もいいね.

忙しすぎるよ,今の世の中.

ゆっくりと生きていきたい.

2014年2月24日月曜日

「一週間 井上ひさし」読了

一週間 井上ひさし 新潮文庫」読了.

井上ひさしの最後の傑作.

井上ひさしの作品を多く読んでいるわけではないが,最後の作品であるので読んでみた.

最初はリズムに乗れず読み続けるのに努力がいった.読み進むうちに,入江軍医の脱走行を小松修吉が記録するところからリズムを得た.そして,最後まで軽快に読むことができた.

全体を通して,面白く読めた.

読みながら,そして,読み終えて,やはり,戦争はいやだなと思えた.

戦争が終わったのに,軍の規律を維持する日本帝国軍やそれを利用するロシア,軍隊組織というより,統率する幹部,個人の考えでそこに属する人々の快適さ,不快さが左右される.今の社会となんら変わっていない.組織を盾に個人の考えが強要される.ブラック企業って旧軍隊そのものって思える.

見てくれや名称,表向きは変わっても,社会や組織でやっていることって旧日本帝国軍の幹部がやっていることと本質的に変わっていないのかなぁ〜って思った.

人の内面が変わってないってことかな.

2014年1月29日水曜日

「第一阿房列車 内田百閒」読了

第一阿房列車 内田百閒 新潮文庫」読了.

百閒先生のなんの用事もないのに汽車に乗って思い立ったところへとただ行って帰ってくるだけのことをつづったもの.

お供は弟子の山系君である.

ぶつくさぶつくさ文句を言いながらの天の邪鬼のような行動はユーモラスが漂ってくる.

落語のようなリズムもいい.

さあ,第二阿房列車はどんな旅になるのか.

2014年1月26日日曜日

「フェルマーの最終定理 サイモン・シン」読了

フェルマーの最終定理 サイモン・シン 新潮文庫」読了.

アマゾンの数学一般関連書籍の1位である(2014年1月26日時点).

230件のレビューがある.そのうち,195件が5つ星である.
とにかく面白く,一気に読んでしまったなどの感想が多い.

確かに面白かったが,一気には読めなかった.途中,読んでいてだるさを感じるところもあった.

そんなことより,授業から受ける数学の無機質,高貴,完全というイメージとは対照的な数学者の日常を知ることができる.

後半のフェルマーの定理の証明が完成するまでの話は引き込まれるところがあった.

そんなわけで,わたしも面白く読むことができた.

2014年1月22日水曜日

「おしゃべりの思想 外山滋比古」読了

おしゃべりの思想 外山滋比古 筑摩文庫」読了.

これは1980年に毎日新聞社から刊行された「ことばの四季」を精選・再編集されたもの.最後の「雑談の妙」は書き下ろしになってる.

「おしゃべり」とあるがおしゃべりについて書かれているわけではなく,おしゃべりに使われることばについて,著者の雑感がまとめられている.

最後の方にある「母国語」はまさにと思った.

近年,英語教育が文科省主導でより活発になっている.ここではポーランドの過去の分割統治の状況をあげ,純母国語を守ることが国民性・国民の文化活動を守ることになることが書かれている.

道具としての英語が必要で,英語に支配される必要はない.つねづねそう思っていた.

日本にいる外国人が「日本人は日本語をもっと大切にしなくてはいけない」,「日本人は自らの手で日本語を捨てている」と言っている.考えさせられる.

著者の本は読むたびに,日本語のことばのよさ,多様さ,意味深さを感じる.

2014年1月8日水曜日

「夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです 村上春樹」読了

夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです 村上春樹 文春文庫」読了.

越年していた村上春樹を読了.

これは村上春樹のインタビュー集1997-2009に2011年第23回カタルーニャ国際賞受賞の翌日に受けたバ ルセロナ通信社のインタビューが追加されたものである.

インタビュアーのほとんどが,当然といえば当然なんだが,村上作品を読んでいる.質問は一般読者の視点に近いものが多い.

そして,質問の多くは「村上春 樹作品はどのように作られるのか」,「村上春樹はどんな人物か」,「音楽と作品の関係」,「村上作品における短編,中編,長編の関係」,「村上春樹の一日」等々,興味深 く読めた.

読後,村上作品への印象が変わってくる.

村上春樹ってアスリートですね,走ったり,泳いだりしてるからではなくて,考
え方や創作への取り組み方がです.