2014年2月24日月曜日

「一週間 井上ひさし」読了

一週間 井上ひさし 新潮文庫」読了.

井上ひさしの最後の傑作.

井上ひさしの作品を多く読んでいるわけではないが,最後の作品であるので読んでみた.

最初はリズムに乗れず読み続けるのに努力がいった.読み進むうちに,入江軍医の脱走行を小松修吉が記録するところからリズムを得た.そして,最後まで軽快に読むことができた.

全体を通して,面白く読めた.

読みながら,そして,読み終えて,やはり,戦争はいやだなと思えた.

戦争が終わったのに,軍の規律を維持する日本帝国軍やそれを利用するロシア,軍隊組織というより,統率する幹部,個人の考えでそこに属する人々の快適さ,不快さが左右される.今の社会となんら変わっていない.組織を盾に個人の考えが強要される.ブラック企業って旧軍隊そのものって思える.

見てくれや名称,表向きは変わっても,社会や組織でやっていることって旧日本帝国軍の幹部がやっていることと本質的に変わっていないのかなぁ〜って思った.

人の内面が変わってないってことかな.