「
約束された場所で 村上春樹 文春文庫」読了.
地下鉄サリン事件の被害者など,関係者のインタビューを記録した「アンダーグランド」を読んだときは,オウム,そしてオウム信者は酷い,どうしようもないなと思った.
オウム信者,元オウム信者のインタビューを記録したこの本を読むと,地下鉄でサリンを撒いたのは一部の信者で,ほとんどの信者がサリンを撒く計画すら知らされていないことがわかる.
だからといってオウムが悪くないと言うことではない.また,このようにオウムとひと括りにしてしまうのもよくないのかなと思う.
オウムも普通の会社組織となんら変わらない事がわかる.不祥事や事件を起こすのは普通の会社でもごく一部の人による.多くのまじめな社員は何も知らされていないものだ.
これを読むと私たちの社会に,そして,国家にオウムが内在していることがわかる.決して外の出来事ではない.特殊な集団が起こした事件ではないと思う.
過去,戦争を起こしていたとき,日本はオウム化していたのかもしれないと思った.
決して,忘れてはいけない事件である.未だに解決されていないし,十分に理解されていない事件でもある.
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