2012年9月8日土曜日

「坑夫 夏目漱石」読了

坑夫 夏目漱石 新潮文庫」読了.

死ぬことを思って家を飛び出した青年が長蔵という坑夫の周旋屋に出会って,鉱山へ行き,そこでの経験といろんな人との出会いの過程で,「死ぬこと」と「坑夫になること」の葛藤の中で考え,最後には家へ帰るという記録物.

事実が書かれ,小説ではない.記録物の位置づけとある.

坑夫になれなかったのも健康診断で気管支炎と診断されたことで,死ぬことも坑夫になることも自分で決めることができず,出会いや病気など自分でコントロールできない事由に左右される.


生きることは運命そのもの.

記録物と漱石はことわっているが自滅への葛藤や生への執着など,一青年の出来事を小説として読むことはできる.

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